注目キーワード

バインセオ【ベトナム風お好み焼き】

バインセオとは、米粉で作った生地をクレープのように薄く広げ、上にいろいろな具材をのせ半分に畳んだ、ベトナムの家庭料理です。生地をパリッと焼き上げていくので、仕上がりは、クレープとは異なります。

たくさんのハーブと一緒に、レタスに包んで、たれにつけていただくのがベトナム流。

家庭ではもちろんのこと、屋台やレストランでも食べられます。

日本では、ベトナム風お好み焼きと呼ばれることが多いようです。

英語では、パンケーキやクレープと訳されることが多いです。私の住んでいる都市(豪)にもたくさんのベトナム料理店がありますが、メニューには、Vietnamise Pancake と記されています。

一般的なバインセオの具材は、エビ、豚肉ともやしがメインになりますが、

えだまめキッチンでは、厚揚げとたくさんの野菜を使って作っていきます。ビーガンバインセオ!

♦バインセオの生地、ならびに今回使用している具材はグルテンフリー(GF)です。しかしながら、おすすめしているつけだれが、GFではないため、本レシピはGFを謳いません。

では、まいりましょう。

材料は?

バインセオの生地

米粉
ベトナムのお好み焼きバインセオは小麦粉ではなく、米粉で作られます。ベトナム麺で有名な、フォーやブン、これらも米粉からできています。これ以外にも、ベトナム料理では、米粉が多く使われています。

ちなみに、日本より人口の少ないベトナムですが、コメの消費量が日本より、はるかに多いんです。ちょっと古い2015年のデータ open_in_new ですが、なんと日本の約2.8倍も消費されています。生産量は、3.5倍!!

▪ココナッツミルク
お水と同量のココナッツミルクを使って、生地を作ります。

▪ターメリック
黄色の色付け。出来上がりのバインセオは、卵焼きくらいの色。

▪塩
普段お使いのお塩で。

中に入れる具材

そもそもは、エビと豚肉を使う料理なので、プラントベースバージョンに決まりはないと思います。お好きな具材を入れましょう。ここでは今回使った具材と、私がよく使うものを紹介します。

今回使ったバインセオの具材。茹でムング豆40g、厚揚げ60g、野菜250gでした。

▪厚揚げ
今回は厚揚げ使用。その他、ひき肉タイプの乾燥大豆ミートを戻したものやセイタン(グルテンミート)でも。

うす味の付いた缶のセイタンを持っていると、ちょっとしたときに重宝します。下準備の必要なく、すぐ使えるので忙しいときに便利です。

▪野菜
今回はブロッコリー、カリフラワー、にんじん、ズッキーニ、アスパラ、シイタケ(乾燥を戻したもの)を使いました。

その他、もやし、玉ねぎ、白菜、青梗菜、ヤングコーン(生/缶どちらでも)、パプリカ、マッシュルーム、エリンギなど、その時に持っている野菜を何種類か混ぜてを作ります。皮のパリパリ感を損なう恐れがあるため、水分が多い葉菜類は入れすぎに注意してください。

▪皮なしムング豆(ムングダール、緑豆)
もやしになるあの緑豆です。皮を剥いてあるので、色は緑でなく黄色。

なんとも言えない自然な豆の甘味がたまりません。レストランで、これが入ってないバインセオだったら、もうその店では二度と注文しません。たいていの場合は入ってますが。

個人的に、超おすすめ具材ですが、一つ難点が。…それは、乾燥豆のため、下準備に時間がかかってしまうということ。

とはいえ、皮は除去され、挽き割りされているので、浸水なしでも30分ほどで茹で上がります。浸水しておけば、ゆで時間はもっと短縮されます。私は、いつも多めに茹でておいて小分け冷凍。そうすれば、下準備なしで、いつでも解凍するだけで使えます。

この皮なしムング豆は、カレーやスープ、お菓子作りにも使えます。和菓子にも洋菓子にも使える餡子(緑豆ペースト)が、これまた絶品なんですよ。それから、ビーガンオムレツもこのお豆でできちゃいます!遅からずレシピ公開いたしますね。

バインセオに合う具材、あなたのアイディアもぜひ教えてください!

一緒にいただくレタスとハーブ、つけだれ

バインセオは、レタスに巻いて、たれにつけていただきます。お好みで数種のハーブも一緒に巻きましょう。

リーフレタス
葉が大きくて柔らかいレタスが、巻きやすく美味しいです。玉レタスは向きません。

お好みでその他のハーブ
ミント、コリアンダー、タイバジル、ヤナギタデ(ベトナミーズミント)、シソなど

レタスは、必要不可欠ですが、ハーブ類はなくてもOKです。

▪つけだれ
↓↓↓こちらのたれを使用しています↓↓↓

関連記事

ヌクチャムとは、ベトナム語で『つけだれ』のこと。そして、チャイは『ベジタリアン』。 今回は、先日公開した、ビーガンフィッシュソースを使って作る、ベトナム料理の万能つけだれのご紹介です。もちろん、100%プラントベースレシピです。 […]

ちょこっと、余談: ベトナムのハーブ シソ

ベトナム料理では、様々な種類のハーブが使われます。

別皿で添えられることも、しばしば。フォーしかり。揚げ春巻きしかり。

日本でもなじみの深いシソも、そのうちの一つです。

ベトナム料理で使われるシソは、たいていのものが、表面が紫がかった緑色で、裏が紫色。しかし、下の写真のように表もキレイな紫色のものも、たまに見かけます。これは、日本の赤紫蘇にそっくり!

日本の赤紫蘇はえぐみがあって生食には向かないとのことですが、このシソはマイルドで、そのまま生でも美味しくいただけます。大葉のような独特な味もなく、香りも弱め。

あくまで個人的な意見ですが、ベトナム料理の添え物としては、大葉の代用は向かないと思っています。大葉を使うと、やはり和食感が増してしまうので、せっかくのベトナム味から、ずれてしまいます。それなら、ないほうが良いかなと。ビーガンの時点で本格志向ではない、というツッコミはなしでお願いします(笑)

家庭菜園でオーガニック。
ベトナム料理で食べる紫蘇。2021年2月撮影

それから、実はこのシソは、緑でも、紫でも、味はほぼ一緒。味が同じなら見た目がキレイな紫のシソが欲しくて、どこで手に入るのか聞き回ったんです。そうしたら、ガーデニングの得意なベトナム人の方から「とにかく陽に当てれば紫になると」言われたんですよ。“まーた適当なこと言いやがって”と正直思いました。なぜなら、かなり日当たりの良い場所で育てていたからです。でも結局、今年は日の出から日の入りまでこれでもかというくらい家で一番、日の当たるところの植えた結果………この出来栄え!!昨シーズンの種から育てたので、遺伝子は一緒。去年とは大違い、今年は美しい紫!アドバイスは正しかったわけです。疑ってごめんなさい。そして、ありがとう。嘘のような、ホントの話でした。

今は、日本にもベトナムの方がたくさん在住されていて、ベトナム料理店もたくさんありますよね。ベトナムのシソの種とか苗とかありそうな気もするんですが…。どうなんでしょう?

作り方とコツなど

まずは下準備…

【ムング豆を使う場合】たっぷりのお湯に、塩を適宜入れ、ムング豆を柔らかくなるまで茹でておきます。

乾燥から茹でて30分くらい。しっかり浸水させていれば、5分程で茹で上がります。

では、作っていきましょう

►まず、生地の材料すべてをボールに入れて、よく混ぜ、置いておきます。具材を準備している間に、粉と水分なじませます。

焼く前の生地は、卵の入ったクレープやホットケーキ生地と同じくらいの色で、うっすら黄色いくらいです。焼くと黄色みが増します。ターメリックを入れすぎると苦くなってしまうので、ご注意ください。

►次に、具材に火を通していきます。

具材を食べやすい大きさに切ります(材料の写真を参照ください)。

ムング豆以外の具材をフライパンで炒め、塩とこしょうで軽く下味をつけます。もしくは、塩の入ったお湯で、軽く茹でてもOKです。

►中火で熱したフライパンに、油を少し引いてください。
生地を流しいれて、フライパンを傾けながら回して、生地を全体に薄く均等に広げます。ムング豆を生地全体に散らして、先ほど火を通した具材は片側半分だけに置きましょう。

普通のフライパンでも、このような中華鍋でも。ご自身の扱いやすい器具で焼いてください。

もやしを入れる場合は、シャキシャキ食感を残すため、先に火を通さずに生のまま、のせます。そして、この時点でフライパンに蓋をして蒸し焼きにして軽く火を通します。ちなみに、ベトナム料理では、もやしを生で食べます。

中~強火で、引き続き、焼いていきます。火が強すぎると焦げるので注意。

周りから少しずつ、生地がパリッとしてきます。全体がパリッと焼けて、程よい焦げ目がついたら、半分に折りたたんで、お皿に移してください。

レタスやハーブ、つけだれを添えて、いただきます!!

レシピの分量で、2人前。 直径約25㎝の生地が2枚分です。
それでは、レシピカードをどうぞ。

♦下準備(ムング豆の茹で時間)は、調理時間に含めていません。

バインセオ

米粉で作るベトナム風お好み焼き
印刷する ピンする レビュー
主菜/メインディッシュ
ベトナム料理
調理時間 : 25
出来上がり量 :  2 人前

 材料

生地
  • 米粉 100 g
  • ココナッツミルク 120 ml
  • 120 ml
  • ターメリック 小さじ ½
  • 小さじ ¼
具材
  • 厚揚げ、野菜など 約300 g
  • 塩、こしょう 少々
  • 乾燥皮なしムング豆 15-20 g
一緒にいただくレタスとハーブ/つけだれ

 手順

下準備【ムング豆を使う場合】
  • まず最初に、皮なしムング豆をたっぷりのお湯で柔らかくなるまで茹でておく。
生地を作る
  • 生地の材料すべてをボールに入れてよく混ぜる。
    具材を準備している間、しばらく置いておく。
具材の準備
  • 具材を食べやすい大きさに切る。
  • ムング豆以外の具材を、少量の油(分量外)で炒めて、塩こしょうで下味をつける。
    または、塩を入れた湯を沸かし、軽く湯がいて野菜に火を通す。
生地を焼く
  • 中火で熱したフライパンに、油を少し引く。
    生地を流しいれて、フライパンを傾けながら回して、生地を全体に薄く均等に広げる。
  • ムング豆を生地全体に散らす。その他の具材を片側半分に置く。
  • 中~強火で、生地がパリッとするまで、焼く。火が強すぎると焦げるので注意する。
  • 生地がパリッとし、程よい焦げ目がついたら、半分に折る。
  • お皿に移して、完成!
    レタス、ハーブとつけだれを添えて、いただく。

  コツ・ポイント / その他の追加情報 

►直径約25㎝、2枚分。
 
►緑豆は茹でると約2.5倍の重さになります。
►具材の分量は、あくまでも目安です。(記事本文に掲載している写真などを参考に、お好きな量ご用意ください。)
このレシピを作ったら…

あなたの写真をぜひインスタグラムで見せてください!

タグ:@the_edamame_kitchen

ハッシュタグ:#えだまめキッチン

タグ付けをお忘れなく。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
xoxo Lily