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白菜キムチ(ヴィーガン)

アミの塩辛なし、カナリエキスやイワシエキス、ナンプラーなどの魚醤も使わず植物性食材のみで作るキムチ。

ちょっと物足りないんじゃないと思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
ほど良く発酵したあとは「あれ?!このキムチ魚エキス入ってるよね?」っていうお味です。不思議なんです笑 海のもので使っているのは、粉末昆布だけなのに。

植物性の旨味食材の組み合わせ乳酸発酵パワーを使って、旨味を重視し辛さはピリ辛程度に抑えました。しかしながら、辛味はお好みで調節可能。

このレシピでは、のり(小麦粉やもち粉を水で溶いて加熱し糊状にしたもの)は使いません。重石も必要なし。
半日塩水に漬けた野菜をフードプロセッサーでペースト状にしたヤンニョムと混ぜるだけ。だからとっても簡単。あとは、発酵するのを待つばかり。

十数年前、キムチ作りを始めた当初は(プラントベースじゃないよ)四つ割り白菜の株漬けにこだわっていましたが、今思い返せばなんて大変なことをしていたんだろうと思います。それはそれで良きところもありますが、どうせ切って食べるんだし作るの断然楽だし現在は「白菜は切ってから漬ける」これ一択になりました。

ちなみに、切ってから漬けるキムチを「マッキムチ」四つ割りで芯でつながってるキムチを「ポギキムチ」と言うそうです。

ということで今回は、The Edamame Kitchen流 プラントベースなマッキムチ!

さっそくまいりましょう。

食材リスト&ひとこと解説

白菜の塩漬け

主役の白菜と脇役のお野菜、塩。

白菜
大根/人参
小ねぎ(またはニラ

一般的なキムチレシピでは白菜以外の野菜は千切りにしてヤンニョムに混ぜ込むと思いますが、ここでは大根はいちょう切り、人参は輪切りか半月切りにして白菜と合わせて漬けてしまいます。ねぎやニラも一緒に。

白菜とは違う大根と人参の食感がいいアクセント。

ポギキムチを作っていたときは葉と葉の間にヤンニョムを塗り込まなくてはならないので、「大根や人参は千切りにしてヤンニョムに馴染ませる」が当たり前でしたが、現在は上記のような方法を取っています。ヤンニョムも水っぽくならなくて良き。 

ヤンニョム(合わせ調味料)

韓国唐辛子
日本や中国の唐辛子、カイエンペッパーなどは辛みが強いですが、韓国の唐辛子は辛みが少なくマイルド。甘み旨味も感じられ、香りもいいです。美味しいキムチ作りには韓国唐辛子!

ここでは粗挽きの唐辛子を使っています。

私は大好きなえごまの葉のキムチ作りも、ナムルをピリ辛にするのにもこの粗挽きを使っていますよ。粉が必要になったら、そのときはミルで粉にしてます。

パプリカパウダー
トウガラシはトウガラシでも、辛くないトウガラシ『パプリカ』
なんのこっちゃと思われる方もいるかもしれませんが、パプリカも唐辛子も「ナス科トウガラシ属」の植物なんです。

ということで、パプリカパウダーには辛味がありません。ほんのり甘く少し土のような(いい意味で)香りと鮮やかな赤い色が特徴的でスパイスとして扱われています。そのまま少し舐めてみると、甘みとかすかに渋みも感じます。

辛みがマイルドな韓国唐辛子ですが、たくさん使えばもちろんその分辛くなります。
白菜にヤンニョムをたっぷり絡ませたいので、メインには韓国唐辛子を使いそこにパプリカパウダーをブレンドすることで辛みは増やさずに複雑味を出し、さらに色良く仕上げます。

邪道と言われてもいいのです。結果、美味しくなれば😜

ヤンニョムの材料。

玉ねぎ・にんにく・しょうが

ライスシロップ (rice malt syrup / brown rice syrup)
玄米シロップや米水飴とも呼ばれているそうです。名前の通り、米からできたシロップです。
カンロ飴を思い出させるこっくりとした、けれどもしつこくない甘みがあります。
砂糖やはちみつの代用として、普段の料理やお菓子作りにも幅広く使える甘味料。

米水飴と名が付いていても水飴ほどは固くなく、メープルシロップのようにさらさらでもなく、適度な粘度があります。しつこくない甘さなので、ある程度の量を使っていますがキムチがとても甘くなるということはありません。この粘度と甘さがキムチのヤンニョムにぴったりで気に入って使っています。

日本で販売しているライスシロップは、原材料が玄米のものと白米のものがあるようです。私がオーストラリアで購入し使っているのは玄米から出来たライスシロップ(上写真、右下の琥珀色の液体)なのですが、日本の玄米水飴は明らかに色味がに濃く(ウェブ上で写真を見る限り、黒蜜のような色)、販売元さんのサイトでもカラメルのような風味があるとのことでした。アマゾンレビューなど読んでみましたが、私が使っているものに近いのは白米で出来た米水飴ではないかと思います。

塩こうじ
トマトペースト
たまり醤油(または普通の濃口醤油)
粉末昆布
上記の4食材が、旨味ブースト食材!植物性の旨味をバランスよく集めましたよ。

塩こうじは旨味だけでなく、ライスシロップの粘度と相まって「のり」の役割も果たしてくれています。【キムチのりの役割:ヤンニョムを白菜に絡ませる。糖質(炭水化物)が発酵を促す。】

トマト?!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、トマトは旨味成分であるグルタミン酸とアスパラギン酸を多く含む食材なんですよ。トマト味のキムチにはならないの心配無用~。

醤油の中でも旨味成分の多いたまり醤油。もし、なければ濃口醤油で代用してもいいでしょう。

植物性の海産物こんぶ。昆布100%の粉末を使ってくださいね。私はミルで自家製してます。
粉末/顆粒の昆布だしや昆布茶は、昆布よりも塩や砂糖が多く含まれており、商品によってはかつおだしや乳糖といった動物性成分を含む製品があります。

以上です。
食材さえ揃えば、あとは簡単。

作り方、コツなど

白菜キムチは、まず白菜を塩漬けにしてから、合わせ調味料と和えて発酵させます。出来上がりまで数日かかりますが、作業自体は単純で短時間で終わります。

白菜の塩漬け

1.白菜とその他の野菜を切る。

白菜:下側 1/3~半分弱のところまで切り込みを入れて、あとは手で裂くように割ります。半分になった白菜を同じように半分にして、四つ割りに。包丁で切るのと比べ、この方法だと細かい切れ端が出にくくなります。

外側の葉は既に取ってあります。

四つ割りにしたあと、葉の内側を確認。
傷んでいる部分があれば取り除いてから、ザクザクと幅4cm位に切ります。芯はとってね。

白菜は洗う?
外側の葉、数枚は剥がして比較的しっかり洗っています。それ以外はざく切りした後に、ボウルに溜めた水でざっと洗う程度です。根元近くなど、明らかに土などの汚れがあればその部分はしっかり洗い流しましょう。

大根:皮を剥いて厚さ2~3㎜のいちょう切り。
人参:皮を剥いて厚さ2~3㎜の輪切り。
小ねぎ:根を切り落として、約4㎝の長さに。白い部分も入れてますよ。

2.水に塩を溶かして塩水を作る。

►溶け残りがないように、完全に溶かしてくださいね。

3.切った野菜を塩水に漬けて、常温に12時間~置く。
切った野菜はこんな感じだよ。

写真の保存容器は、容量5リットル。少し余裕があります。

►野菜全体がきちんと塩水に浸かるように、軽く押してなじませます。そのあと、空気がなるべく入らないようにラップで表面を覆います。すべての野菜が塩水に接していることが重要です。重石は不要。

あとは蓋をしてそのまま放置~

ヤンニョム作りとキムチ漬け

下準備:キムチを漬ける(保存する)容器を除菌消毒しておく。
►食品用アルコール除菌剤で拭く、または加熱/煮沸消毒など。

1.塩漬けした野菜をザルにあげ、水分を絞る。

►あれから19時間経ちました。白菜もその他の野菜もしんなりとしてしっかりと塩漬けされています。

塩漬け時間はたっぷりと12時間~塩味を野菜にしみ込ませます。最大で24時間くらいまでは大丈夫です(冬場想定)。室温が高い場合は発酵が始まってしまうのであまり長く置き過ぎないでね。

しんなりと塩漬けされた野菜

►ザルに上げた野菜を、両手でぎゅーっと絞って大きめボウルにいれておきましょう。

塩漬け後の野菜は洗わないでくださいね。

しっかり水気を取り除く。
2.ヤンニョムの材料すべてをフードプロセッサーにかけて、ペースト状にする。

►しょうがは皮を剥いて、玉ねぎはざく切りにしてからフードプロセッサーに投入。

►写真のようなペースト状になればOK!

めっちゃ簡単。ヤンニョム完成。
3.塩漬け野菜とヤンニョムと合わせる。

►しっかりと混ぜるだけ~。

この時点では、正直なところまだおいしくありません。発酵を始めてからこそ、本領発揮のレシピです!

水分をしっかり絞った野菜とヤンニョム。
4.保存容器に入れて、常温に1日~発酵が始まるまで置いておく。

►できるだけ空気を入れないように容器に詰めて、表面にラップを置きます。
蓋はしっかり閉めずに乗せるだけ。発酵時に出るガスを逃がしてやるためです。

私は、匂い移りしにくくしっかり密閉される写真のようなガラス瓶を使用しています(キムチの量に対してだいぶ大きめですが…w)。この時点では、密閉したくないのでほこりなど入らぬよう上から布巾をかぶせて置いています。

5.程よく発酵したら、冷蔵庫に移す。

►さらに2日経ちました。約48時間後です。

塩漬け野菜とヤンニョムを合わせてから48時間後。

上からも横からも、気泡が確認できると思います。発酵が始まっている証拠です。香りもいい感じにキムチらしくなってきますよ。

写真のような状態になったら白菜の白い部分を食べてみて、まだ浅漬かりかなというくらいで冷蔵庫へ移動させましょう。キムチの上のラップはそのままに、容器は密閉しますよ。

発酵にかかる時間は、それぞれの環境で異なります。見た目、香り、味、すべて確認して見極めてくださいね。

ここからは、低温でゆっくり発酵熟成させます。
熟成度合いの好みは人それぞれですので、

ここでひとまず白菜キムチの完成とします👏
ヤンニョムたっぷり。旨味たっぷり。Yum!!

個人的には、冷蔵庫でさらに三日ほど寝かせた頃からが、味がさらに馴染んで美味しいなと思います。そこから、いつも3~4か月かけて食べています。

最大で半年ほど置いたことがありますが、美味しくいただけましたよ。

きちんと乳酸菌が繁殖した発酵食品は腐敗菌などの繁殖を抑え保存性が高まるので、正しく保存すれば数か月は余裕でもちます。

少しずつ変化する味も楽しみながら、お料理にも活用下さいね。ヤンニョムたっぷりのキムチだから鍋物や炒め物の味付けにも一役買ってくれますよ。

リリィの独り言…

このレシピでキムチを作るようになってから、発酵が進むとともに強くなっていく酸味が穏やかにまろやかになっている事実があるのだが、これは多めに使っているライスシロップのおかげではないかと思っているのだが…気のせいか否か…うーむ…。

このレシピを試してくれた誰か、もし同じ感想を持ったら…もしくはそんなことはなかったとか、もしくは科学的なことがわかる人いたら、コメント欄で教えてもらえたらうれしいなぁー。

保存

キムチを取り出すときは必ず清潔な箸やトングを使用し、そのあと再び表面はラップで覆いなるべく空気に触れないよう密閉して、冷蔵庫で保存してください。

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動物性食材不使用のえごまの葉のキムチ。
それでは、レシピカードをどうぞ。

白菜キムチ(ヴィーガン)

植物性の旨味食材を組み合わせて作るヤンニョムたっぷりのキムチ。動物性食材不使用。
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副菜/サイドディッシュ
韓国料理
ヴィーガン・発酵食品
下ごしらえ : 10
調理時間 : 20
合計時間 : 30

 材料

野菜の塩漬け
  • 白菜
  • 大根と人参 (※1) 150 g
  • 小ねぎ (またはニラ) 50 g
  • (※2) リットル
  • (※2) 80
ヤンニョム(合わせ調味料)
  • 韓国唐辛子 (※3) 40 g
  • パプリカパウダー (※3) 20 g
  • 玉ねぎ 75 g
  • にんにく 20 g
  • しょうが 10 g
  • ライスシロップ 60 g
  • 塩こうじ 40 g
  • トマトペースト 25 g
  • たまり醤油 (または濃口醤油) 10 g
  • 粉末昆布 (昆布100%) 小さじ

 手順

塩漬け
  • 野菜を切る。
    白菜:四つ割りにしたあと、幅約4cmのざく切り
    大根:厚さ2~3㎜のいちょう切り
    人参:厚さ2~3㎜の輪切り
    小ねぎ:長さ約4㎝のざく切り
  • 水に塩を溶かして塩水を作る。
    *溶け残りがないように、完全に溶かしてください。
  • 切った野菜を塩水に漬けて、常温に12時間くらい置く。
ヤンニョム作りとキムチ漬け
  • 塩漬けした野菜をザルにあげ、余計な水分を絞って大きめのボウルに入れておく。
  • ヤンニョムの材料すべてをフードプロセッサーにかけて、ペースト状にする。
  • 1のボウルに2で作ったヤンニョムを入れて混ぜ合わせる。
  • あらかじめ殺菌消毒しておいた保存容器に3を入れて、常温で1日~。
    発酵が始まるまで置いておく。
  • 程よく発酵したら冷蔵庫に移す。(※4)
    低温で発酵熟成。保存。
  • 好みの熟成度合いになれば完成。

  コツ・ポイント / その他の追加情報 

※1:大根と人参の比率はお好みで。
※2:すべての野菜が浸るように塩水は多めに使用しています。塩の量は、野菜と水の総重量の2.5%に設定しています。
※3:韓国唐辛子とパプリカパウダーは合わせて60g。レシピ分量の比率2:1で旨味重視のピリ辛程度。この比率を変えることでお好きな辛さに調節可能です。
※4:常温発酵させる時間は環境により異なります。見た目、香り、味から発酵度合いを確認してください。(詳細は記事本文参照)
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xoxo Lily